こんにちは。
大阪市阿倍野区にある女性専門パーソナルトレーニング【graceful帝塚山】
トレーナーの金物谷です。
ダイエットには必須の食事制限。
最近主流の糖質制限ですが、しっかりと効果を出すためには正しい知識を身に着ける必要があります。
糖質制限ダイエットを行っていても、減量の根本にはカロリー制限があります。糖質を抜いても、それ以外で暴食していては痩せることはできません。
そのようなことがないように、今日はカロリーの設定・三大栄養素(糖質・タンパク質・脂質)の設定の仕方など具体的なところをお伝えしていきます。
とその前に…
体脂肪と筋肉で重さは違う?
「脂肪は軽くて、筋肉は重い。」
これは皆さんご存知だと思いますが、具体的にどれくらい重さに差があるのかご存知でしょうか?
答えは、1cm3あたりの重さは「脂肪で0.9g、筋肉で1.1g」
一見大した差がないように思えますが、
人の体の大きさになると結構な差が出ます。
脂肪が軽いということは、 脂肪と筋肉が同じ重さなら体積が変わってきます。
数字で体積比を見ると、脂肪は筋肉の1.25倍。
同じ体重50kgの女性でも体脂肪が30%の方と、20%の方では、 見た目が大きく変わります。
やっぱり同じ体重でも、体脂肪が多いとサイズが大きくなってしまうんですね。
「海外に比べ、 日本人は体重などの数値にこだわる。」といわれています。体重の数値は指標にはなりますが、数値を追いかけることに意味はありません。
「適度に筋肉をつけて、 女性らしく引き締まった体を手に入れる。」 ことの方が大切だと考えます。当店では、そのようなご希望をお持ちの女性に多数ご来店頂いております。
1、糖質制限とカロリー制限
ここ数年は糖質制限が流行っていて、「糖質さえ取らなければ、 カロリーを気にしなくも大丈夫。」という指導をしている所もあります。
しかし、体重増減の基本はカロリー収支です。
消費カロリー>摂取カロリー:痩せる
消費カロリー<摂取カロリー:太る という仕組みであり、これは誰でも変わりません。
どれだけ糖質を制限をしても、それ以外のものでカロリー過多の状態になってしまっていては痩せることはできません。
◆1日の消費カロリーの計算方法
人の1日の消費カロリーは、基礎代謝と活動代謝※からなり、【基礎代謝×活動レベル】で求めることができます。(大体の目安となります※1 活動レベルは下の表を参考に)
例)基礎代謝が1500kcal、適度な運動を行なっている【活動レベル1.7】男性の場合
1500×1.7=2250
1日の消費カロリーは2250kcalとなります。
ここで計算した消費カロリーを下回るように摂取カロリーを調整していければ痩せることができます。
【活動レベル】
※基礎代謝とは
何もせず安静に寝ていても、生命活動を維持するために必要なエネルギーのことを言います。
個人差はかなりありますが、標準体型の男性では1500kcalほど、女性では1200kcalほどと言われています。
基礎代謝と同等のカロリー摂取であれば、寝たまま1日全く動かなくても太らないということになります。
※活動代謝とは
日常生活での動作、家事や仕事などで消費するカロリーを言います。普段から階段を使う、頻繁に歩く、スポーツを行っているなど、こちらもかなり個人差があります。活動の強さを区分けした活動レベル表(生活活動強度)を指標とします。
2、体脂肪を1kg減らすためのカロリー消費は?
体脂肪を1kg減らすのに【-7200kcal】(※1)する必要があると言われています。
1ヶ月に2kg痩せたければ、1ヶ月に- 14400kcalすれば良いことになります。
14400kcal÷30日=480kcal
毎日の摂取カロリーを消費カロリーより480kcal少なくすれ ば、計算上は1ヶ月で2kg痩せることになります。
※1 消費カロリー(基礎代謝、活動代謝) は正確な数値ではないので、実際に行う場合は、消費カロリーを推定値とし、 1ヶ月の体重の減り具合で調整して行く必要があります。消費カロリーを多く見積もってしまうことがよくあります。
※2 脂質は1gあたり9kcalあります。体脂肪は20%が水分で、実質の脂質は80%
1000g(1kg)×0.8×9kcal= 7200kcalとなります。
3、理想のからだにはやっぱり筋肉が必要
「どんな形でもとりあえず体重を落とす」のであれば、 先ほどの計算のように【摂取カロリー<消費カロリー】 にすれば痩せます。しかし、「 女性らしく引き締まった体」というところを目指すのであれば、 減らす体重の中身が大切になります。
体脂肪を減らすのか?一緒に筋肉を減らすのか?
ダメな例)
カロリーを制限したことで体重は減った。→脂肪は落ちたけど、筋肉も一緒に減った。
これでは、見た目にメリハリもなく、 さらに筋肉量が減ったことで、基礎代謝・活動代謝は落ち、1日の 消費カロリーが減るため、リバウンドしやすい・ 太りやすい体質になってしまいます。筋肉量が減ると腰痛などの体 のトラブルにもつながりやすくなります。
同じように体重を落とすにしても、脂肪は減らして、 筋肉量をアップ(人によっては維持) するのとでは大きく違います。
筋肉量が増え、消費カロリーがアップすることで太りにくくなりますし、生活習慣病の予防にもつながります。こちらの方が明らかに健康的です。
ではどのようにすれば、カロリー制限で体重を減らし、その中でも脂肪は落として、筋肉量はアップ(もしくは維持)できるのでしょうか?
4、脂肪を減らし筋肉量を増やすには
STEP1 自分の基礎代謝、活動量から消費カロリーを求める。
STEP2 目標体重(1ヶ月に何Kg減らすのか?)から摂取カロリーを決める。
STEP3 摂取カロリーの中身となる三大栄養素を設定する。★ここが大切です。
繰り返しになりますが、消費カロリーが摂取カロリーを上回ることで体重は減ります。そして、そのカロリーの中身となる三大栄養素のバランスで、体脂肪、筋肉量は増減します。
例えば、カロリー制限を行い、摂取カロリーを1500kcalと設定しても、
①三大栄養素のバランスが整った食事をした人
② ファストフードのような偏った食事をした人
では、 同じカロリー摂取量でも体脂肪・筋肉量には間違いなく差が出ます。(どちらも体重が減ったとしても)
⑴まず優先すべきはタンパク質
カロリーが不足することで、 体はエネルギーを得るために体脂肪を分解し、 さらに筋肉を分解します。
体脂肪が減るのは良いですが、問題は筋肉の分解(筋肉量の減少)です。
カロリー制限中にも筋肉の分解を極力抑え、筋肉量アップもしくは維持するためには、「タンパク質を積極的に取り、 血中アミノ酸濃度が高い状態を保つ」 ことが重要です。
◆筋肉の分解を抑えるBCAAとは?
タンパク質の材料になるアミノ酸ですが、人の体では作り出すことのできないアミノ酸を必須アミノ酸といいます。
BCAAは必須アミノ酸で、バリン、ロイシン、イソロイシンの3種類からなり、トレーニング前後に摂ることで様々な効果が得られます。
<得られる効果>
①筋肉の分解を抑え、合成を促進する。
②トレーニング中の疲労の蓄積、集中力維持
③筋肉痛の軽減
これらの効果の中でも、特に重要なのが、①「筋肉の分解を抑える」というところです。
しっかりと筋トレを行うと、体にはストレスがかかり、筋肉の分解も同時に起こってしまいます。特にダイエット中は、カロリー収支がマイナスになっているので、筋肉の分解が起きやすい状況です。
★BCAAをトレ―ニング前やトレーニング中に飲むことで、筋肉の分解を抑え、筋肉量を増やす手助けをしてくれます。
◆タンパク質の具体的な摂取量は?
以前タンパク質の摂取量は、体重×1.5〜 2gとお話しをしましたが、体脂肪を考慮したものとして、私が参考にさせて頂いているのは、
除脂肪体重(体脂肪以外の重さ)×2.2〜2.8g
という計算式です。 こちらも研究を元に出した数値のようです。
※除脂肪体重=体重-体重×(体脂肪率÷100)
筋肉量の多い人には、より多くのタンパク質が必要ということになります。
タンパク質は1g=4kcalなので、タンパク質摂取量×4でカロリーを出す事でできます。
⑵次に糖質量を決めます。
当店では糖質100〜120gほどのゆるい糖質制限を推奨しております。この糖質量をカロリーにすると、400〜480kcalになります。(糖質は1gあたり4kcalあります。)
⑶最後に残ったカロリーを脂質から取ります。
比較的ハードなトレーニングをされている方はトレーニングのある日・無い日で糖質量を変える方もいます。トレーニングの日は糖質多め、脂質少なめという感じです。
筋肉は、糖質を筋グリコーゲンという形で貯蔵しています。筋トレ後はグリコーゲンを使い切った状態になるので、トレ後に補充する目的で糖質を多めに摂ります。さらに、トレーニング後にタンパク質と一緒に糖質をとる事で、筋肉の分解が抑えられ、筋肉の合成が促進されるとも言われています。
今までの流れで実際に設定してみましょう!
例)体重50kg 体脂肪率30%
基礎代謝1200kcal、運動量はほどほど【活動レベル1.5】の女性の場合
STEP1 消費カロリーを求める。
1日の消費カロリーは【基礎代謝×活動レベル】なので1200×1.5=1800
1日の消費カロリーは1800kcalとなります。
STEP2 減量目標から摂取カロリーを決める。
目標)1カ月に2kg痩せる
1ヶ月に体脂肪2kg落とすには、-7200(kcal)×2(kg)=−14400(kcal)となり、
−14400(kcal)÷30(日)=-480(kcal/日)
1日の消費カロリー1800kcalから480kcalを引いた1320kcalが1日の摂取カロリーとなります。
STEP3 カロリー中の三大栄養素を決める
◆タンパク質
タンパク質の摂取量は、除脂肪体重(体脂肪以外の重さ)×【2.2〜2.8g】
※除脂肪体重=体重-体重×(体脂肪率÷100)
なので、まず除脂肪体重を求めます。50-50×(20÷100)=40 除脂肪体重は40kg
40(kg)×【2.2〜2.8g】=88〜112g がタンパク質の摂取量になります。ここでは間をとって100gとします。
タンパク質100g×4kcal=400kcal (タンパク質1g=4kcal)
◆糖質の設定は「ゆるい糖質制限」を実践
ここでは120gとします。
糖質120g×4kcal=480kcal (糖質1g=4kcal)
◆最後に残りのカロリーを脂質で摂ります
【摂取カロリ-1320kcal】-【タンパク質400kcal】-【糖質480kcal】=脂質440kcal
脂質は1g=9kcalなので、440kcal÷9kcal=48g
脂質摂取量は48gが目安になります。
◇当店ではこのようにして三大栄養素の数値を決めます。
ただし消費カロリーを含め、「これらの数値はあくまで目安なので、経過を見ながら修正していく必要があります。」
できれば2週間単位で、体重測定やウエストなどの周径測定を行い体重の減り具合を見て調整していきます。
「1カ月以上頑張っているけど、なかなか思うように体重が減ってこない。」という場合は、消費カロリーを高めに設定してしまっている可能性があります。(活動代謝を高めに見積もっている)正確な基礎代謝や、活動代謝は分からないため、やや低めに設定するとうまくいくことが多いです。
また、ダイエット開始当初は、体重が予想より早いペースで落ちていくことがありますが、これは体内の水分量の減少によるものです。炭水化物は何倍もの水分を吸収するので、炭水化物を減らすことでこのような体重減少が起こります。
最初の減量ペースは続きません。脂肪を減らしていくのには少し時間がかかります。そのことを頭に入れてモチベーションをうまく保ちながら続けていただけたらと思います。
摂取カロリーや三大栄養素の数値の把握はアプリを使用することで、簡単に行うことができます。
当店でも、アプリを使用し管理していきます。理想の身体を作るためには、トレーニングと同じくらい、もしくはそれ以上に食事管理が大切になります。上記を参考に、この機会にぜひ始めてみてください。
当店は毎日忙しく自分で食事管理とトレーニングは行えないという女性のためのパーソナルトレーニングスタジオです。
女性個人のライフスタイルに合わせた食事方法や自宅でできるトレーニングなども提案させていただきます。