そして、骨粗鬆症は、単に骨量が減っているだけで はなく、もっと細かくみると「骨に微小骨折や断絶が起こっている」と言われています。
参考文献
○骨量の低下も含む、骨強度の低下と言うわけです。
骨強度低下の危険因子 (骨折しやすくなる)
骨量の低下だけじゃなく、高代謝回転が危険因子だと言われています。
「高代謝回転って何?」って感じですよね。難しい話ではないので、聞いてください。
高代謝回転と低代謝回転による骨粗鬆症
◆高代謝回転による骨粗鬆症
閉経によるエストロゲン減少からくる骨粗鬆症がこれです。
❶エストロゲン減少は、骨吸収を大きくUPさせます。骨が分解されていく…
❷それに対応しようと骨形成をUPさせるが、吸収スピードの方が大きく追いつかない。
→健康な状態より、骨吸収・骨形成ともに亢進し、さらに、骨吸収>骨形成となった状態が「高代謝回転」という訳です。この場合は、急激に骨量が低下していきます。
どんどん骨が新しく入れ替わっていくんですが、悲しいことにどんどん骨量が減っていくんですよね…
◆低代謝回転による骨粗鬆症
加齢による骨粗鬆症がこれです。
この場合も、骨吸収が骨形成を上回るので骨量は減ってしまいます。しかし入れ替わりが緩やかなので骨量低下のスピードは緩やかです。
それに加え、加齢により
❶食事量の低下・腸からのカルシウム吸収が悪くなる。ビタミンDの不足。
❷カルシウム不足を補うため、骨からカルシウムを取り出して骨が弱くなる。ことで徐々に進行していきます。
ちなみに代謝回転とは…
古い細胞を分解し、新しい細胞を作ることを言います。骨の場合、骨形成と骨吸収により骨が新しく作りかえられていくことを言います。
高代謝回転は骨強度を低下させ、骨折の危険性を高める!!
高代謝回転は【骨量の低下】以上に骨折の危険性を高めることが研究により分かっています。
「骨折リスク」は
高代謝回転 > 骨量低下
骨密度は低くない(骨量がまだ低下していない)のに、閉経により代謝回転が亢進していると、骨折しやすくなるということです。意外ですよね!
「骨密度が高いから安心。」じゃないんですね。
ちなみにこの代謝回転は、病院で血液・尿検査で調べることができます。
高代謝回転が続くことで、結局は、低骨量になっていきます。
そして、もっとも骨折リスクが高いのは、【低骨量+高代謝回転】です。
閉経による骨の高代謝回転は、60歳を超えると落ち着き、徐々に低代謝回転に変わっていくと言われています。
高代謝回転に関しては薬物療法などの治療手段がとられますが、その後も骨粗鬆症のリスクは続きますので、やはり運動などの対策は必要になります。