国際変形性関節症学会(OARSI)の治療ガイドラインには, 変形性関節症に対する様々な治療の有効性が効果量として数値化されています。
そこで、グルコサミンとコンドロイチンは
グルコサミン 0.58
コンドロイチン 0.72
※ 0.2は小さい効果,0.5は中程度の効果,0.8は大きい効果だと判断できるようです。
OARSIではどちらも中程度以上の効果があると認められています。
しかし、グルコサミンやコンドロイチンが関節痛や進行予防に有効だとする研究結果を疑問視する声が沢山でています。
グルコサミン、コンドロイチンの効果としては
❶ひざ関節の痛み改善
❷ひざ関節裂隙の狭小化抑制
という2点で討論されてましたが、この記事では❶痛みについて
【グルコサミン・コンドロイチンの関節痛に対する効果】について書いてあるところをみると、
【引用】
OARSI(Osteoarthritis Research Society International)ガイドライン 5) において記述されているメタ解析結果を紹介する.
3846 名の被験者を含む 20 試験のメタ解析では,コンドロイチン硫酸塩による痛み緩和効果は,効果量 0.75(95% CI, 0.50, 0.99)(効果中)であり,中 から大の効果を示した.しかしながら、この結果にはコンドロイチン硫酸塩の効果を引き上 げてしまうような出版バイアスの証拠が確認され,また各結果には一貫性が無く不均質であ った.高い質の試験に制限して解析した場合に は,効果量が 0.005(95% CI, − 0.11, 0.12)(効 果無し~僅か)となり,有意な痛み改善効果は 無かったことが報告されている.
※出版バイアスとは
否定的な結果を得た研究が肯定的な結果を 得た研究に比べて公表あるいは出版されにくい事により生じる偏り
※上記は読まなくてもOK!
簡単に説明すると
❶良い結果が出なかった研究は表にでてきにくいため、良いデータばかりが集まる。
❷「すごく効果があった」という研究と「ほとんど効果がなかった」という研究、各研究の結果に大きな差があった。メタ解析ではデータを統合・分析するため、飛び抜けて高い結果が、低い数値を引きあげてしまう。
そして、「すごく効果があった」と結果を出した研究は、研究の質が低く参考にならない可能性があった。ここでいう研究の質というのは、被験者の数などになるんだと思います。
★質の高い研究結果にだけ絞って分析すると、効果なし〜僅かだった。
グルコサミンの効果に関しても有効とは言えないようです。
上記以外にも
・研究に資金提供している販売企業(スポンサー)に有利になるような偏りが研究結果に生じる。などもあるようです。
【結論】
グルコサミン・コンドロイチンの関節痛改善効果は疑わしい。